幸せのパンケーキ
これは先日、とある用事で渋谷へ行った時の事なんですがねぇ。
その日、東京都心はうだるような暑さで、アタシはどこか涼める場所を探してセンター街のあたりを歩いていたんです。
したたる汗を拭いながらしばらく歩いてますと、ある雑居ビルの前でピタッと足が止まったんだ。
これといって珍しい所もない普通の雑居ビルなんですがねぇ、ど〜も気になるんだ。
アタシってば一度気になりだすと引っ込みがつかないタチなもんでして、その雑居ビルの中へスゥーと入っていったんです。
静かな廊下の先に扉がありまして、その扉を開けると中は薄暗くてなんとも重苦しい嫌ぁ〜な雰囲気なんだ。
すると突然知らない男がアタシに声をかけてくるんです。
「当店のご利用は初めてですか?どちらのコースにしますか?」と。
その男、初対面だと言うのにやけに馴れ馴れしく話しかけてくるんですよ。
気味の悪い男だな、ヤダな〜、怖いな〜、ヤダな〜…なんて事を思っていると、今度は狭い部屋へと案内されたんです。
その部屋っていうのが、畳一枚分ほどの広さで、壁の一つがガラス張りになったおかしな造りをしてましてねぇ。
ふぅーっとガラスの向こうに目をやると制服を着た女子高生風の女性が数人、お菓子なんか食べながら楽しそうに会話してるじゃない。
アタシ何の気なしにその様子をしばらく眺めてたんですがねぇ…あれ〜?妙だな〜?だっておかしいじゃない、今わたしの目の前にいるその女性達、まるでアタシの姿が見えてないようなんだ。
アタシがいくら手を振ろうがふざけた顔をしようがパンツを下ろそうが無反応なんだ。
こちらからは見えているのに向こうからは見えていない…どうやらアタシ、気付かぬうちに幽体離脱していたんです。
いや〜まずいことになったな〜、どうしようかな〜、なんて途方に暮れながらふと手元に目をやると、見覚えのないタブレットがあるんだ。
あれ〜?アタシいつからタブレットなんて持ち歩いてたかなぁ?ヤダな〜、怖いな〜、ヤダな〜…疑問に思いながらもそのタブレットをスーススーっとスクロールしていくとあるページでピタッと指が止まった。
そのページっていうのが女性のプロフィールなんかが書かれたページなんですがねぇ、アタシそこに載っている女性達に見覚えがあったんだ…なんでって?だってその女性達、今ガラスの向こうで楽しそうに会話してるんだもの。
渡りに船とはこういうことを言うんですかねぇ、アタシ急いで一番ギャルっぽいアンナという女性を指名して助けを待ったんです。
ほどなくしてガラスの前に彼女がやって来ましてねぇ、必死に胸やお尻をガラスに押し付けて助けようとしてくれてるんだ。動いて暑くなったのかワイシャツのボタンを胸の下まで外して頑張ってくれてるじゃない。
アタシそんな彼女の姿にいたく感激しましてねぇ、体の色んな所が熱くなってきちゃって…気付いたらアタシ、ガチガチに勃起していたんですよ。
すると、ピピピピピッ!ピピピピピッ!
突然タイマーの音が鳴り響くとアンナはシャツのボタンを留めて、まるで何事もなかったように元いた場所に帰っていくんだ。
その時、アタシ気付いちゃった…
ここ、見学店だって。チャンチャン♪
デリヘル嬢と食べた幸せのパンケーキ